■物づくりが好きなのは子どもの頃から

今年の3月から、桑名の一番街という歴史のある商店街に引っ越して来て、販売と工房が一緒になった店舗で営業しています。
ガラス張りのお店なので、外から通りすがりの人が、「喫茶店なのかな？違うのかな？」などと話しながら通り過ぎていくのを見ています。

小さな頃から、ものづくりや絵を描くのが好きでした。
食品サンプルはテレビで初めて見て、ずっと気になっていたのですが、二十歳くらいの時期から特に興味を持つようになりました。
その時に食品サンプル会社が名古屋にあると知り、ネットでコンタクトを取ったところ、たまたま空きがあったので入れてもらったのがはじまりです。

本物の食べ物とサンプル、両方を勉強する必要がありましたが、その時は学校も本もほとんど手がかりがない状態。
サンプルは会社の先輩たちから作り方を学び、食べ物に関しては自分が実際に食べたり見たり作ったりして勉強するしかなかったです。

■安永餅のストラップは桑名愛？

密かにウケを狙ったり、自分が面白いと思うもの・・・そういうことを考えながら作る時もあります。

桑名名物『安永餅』のストラップは、実物大のものと小さいのと2種類あります。
一緒に働いているパートの人と冗談で、今度出店する地元の祭で何か目玉商品はないかと話していたところ、安永餅のストラップがあったら面白いね、という話から、本当に作ることに。
桑名愛とでも言うんでしょうか。

実際販売をしてみたところ、見た目だけでなくできるだけ手で触ったときの感触も本物と同じようになるように作ったので、
「本物っぽいね」
「2日目の安永餅だね」
など、さまざまな感想をいただきました。
Facebookでみなさん紹介してくれまして、お祭りでも売り切れてしまうなど、良い思い出になりました。
また、この10月の土日には、桑名で行われるたくさんのイベントにも参加します。
ぜひ作品を観に来てください。

■本物そっくりに作るためには、形や色、構造についても考える

目で見るのはもちろんですが、なぜその形をしているのか、構造はどうなっているのかについても考えます。
例えばカニには、赤い部分であったり、生だとちょっと茶色い部分がありますよね。
なぜそこの部分が茶色いのかを考えるんです。
ここは太陽の光が当たるから黒っぽいんだとか、ここは歩いている時に日が当たらないから白いんだとか。
そういうことを理解したうえで着色しないと、的はずれな色になってしまうので、見て、構造を理解してから作ることを心がけています。

作品の1つ、ドーナツは油で揚げてあって、それを割った状態を見ることができます。
油で揚げたところは油がしみてちょっと透明だったり、中は生地が白くてふわふわだったり。
これも構造を理解してから作りました。

一番思い出に残っている仕事は、先程も触れましたが、水産会社さんからの依頼でのカニの製作。
1メートルほどの大きな作品を10数種類、生のカニ、ボイルしたカニたくさん作られました。

■タコさんウィンナーや企業コラボのストラップ

作るだけではなく、作品に対してどんな反応がいただけるかが重要です。
自分が気に入っているのとは、別の作品が受けたりとか。
そういうことがあるので、お客さんに直接会える場所は大事だなと思います。

安永餅はいろんな年代に人気がありますね。
タコさんウインナーのキーホルダーやストラップも、男女問わず人気です。
このタコさんウインナー、数バージョンありまして、4本足、6本足、8本足、懐かしい感じの赤ウインナー、美味しそうな茶色のウインナー、いろんな種類があるんです。
きっと家庭ごとにタコさんウインナーの思い出があると思うので。
触ると本物のようにやわからかいので、その感触も楽しんでもらっています。
この秋はいろんなイベントにも参加して、実際にお客様に作ってもらうことも
する予定です。

お店にある作品としては、ウチのオリジナル商品の他、『多度グリーンファーム』のキャラクターであるイチゴの妖精『ごーたん』のストラップや、『桑名のこめ油』を販売している『油清』さんの『こめ油』のマグネットやストラップなども作らせてもらっています。
現在、米油自体は品切れしてしまうぐらいの人気商品なんですが、桑名のふるさと納税の商品として、『こめ油セット』があり、そこに一緒にストラップも入れてもらっているんです。
桑名の方にお世話になってばかりなので、恩返しできたらな、と思っています。

■桑名の銘菓をモノづくりで応援していきたい！

食品サンプルを通して、お店をキレイにしていきたいという人の意欲にお応えしたいです。
注文どおりのものを作ることで、お店の繁盛の役に立てられるとうれしいですね。
それから、桑名は昔から和菓子屋さんなどが多く、名物や銘菓を作り続けている人がいるのが素晴らしいと思います。
その気持を、ものを作ってグッズ化することで、言葉の代わりに伝えていきたいです。
直接的に、間接的に、桑名の町を応援してしていけたらいいですね。